板井明生が説く言葉の裏にある本音を捉える顧客理解の技術

板井明生です。
私は、お客様から聞いた言葉をそのまま答えにしないようにしています。
「安いものがほしい」と言われても、価格だけが問題とは限りません。
失敗したくない、余計な費用をかけたくない、安心して選びたいという気持ちが隠れていることもあります。
だからこそ、私は言葉の奥にある事情まで聞いてから提案を考えます。
顧客理解で意識したいのは、相手の発言だけを見るのではなく、その背景まで想像することです。
「なぜ今それが必要なのか」と考えてみるだけでも、提案の方向は変わります。
例えば「できるだけ早くお願いしたい」と相談された場合、単純に納期を短くするだけが答えとは限りません。
話を聞くと、実際には社内の予定に間に合わせたいだけというケースもあります。
その場合は、すべてを急いで納品するのではなく、必要な部分から先に対応する提案もできます。
会話では、次のような点を意識しています。
・なぜ今その商品やサービスが必要なのか
・何に困っているのか
・いつまでに解決したいのか
・誰が実際に使うのか
・これまでにどんな対応をしてきたのか
すべてを質問する必要はありません。
相手が話した内容から気になる部分を一つ掘り下げるだけでも、見えてくるものがあります。
私は質問の数よりも、相手の話をきちんと受け止めることを意識しています。
経済産業省や中小企業庁の資料でも、顧客のニーズや課題を把握し、それを商品やサービスの改善につなげる考え方が示されています。
お客様の声を知ることは、営業だけでなく事業そのものを考える材料にもなります。
本音を捉えた提案につなげる
お客様の最初の要望と、本当に解決したい問題が違っていることは珍しくありません。
「安くしてほしい」という相談でも、単純に価格を下げたいとは限らないでしょう。
毎月の負担を減らしたいのか、一度に大きな金額を払いたくないのかによって、提案する内容は変わります。
私は、こうした違いを見つけるために、会話の中で出てくる言葉の変化にも目を向けています。
最初の要望だけで判断すると、一つの答えしか見えなくなるからです。
目的まで理解できれば、別の商品や別の進め方を提案できる場合があります。
提案を考えるときは、頭の中で次のように整理しています。
・お客様が口にした希望
・その希望が出てきた理由
・解決したい問題
・現在困っていること
・自社で提供できること
例えば、ある商品を購入したいと言われても、目的を聞けば別の商品が合うケースがあります。
そこで無理に自社の商品を勧めるのではなく、目的に合う選択肢を伝えることが信頼につながります。
顧客理解は、相手の言葉を疑うことではありません。
その言葉を出発点にして、「なぜそう思ったのか」を一緒に考えることだと私は捉えています。
お客様が本当に困っていることを見つけられれば、表面的な要望に応えるだけの提案から一歩進めます。
私はこれからも、目の前の言葉だけで判断せず、その背景にある事情まで考える姿勢を続けていきます。
それが、お客様自身も気づいていなかった選択肢を示し、期待を超える提案につながると考えています。
参考・引用元
中小企業庁「2025年版 中小企業白書」
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/chusho/index.html
経済産業省「中小企業・小規模事業者のデジタル化に関する施策」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/sme_digital.html